【目次】
ものの執着をなくして、不要なものを手放し、ものにとらわれない生き方を追求する「断捨離」は、近年の片付けブームが世の中に広まると同時に、よく耳にするようになりました。
しかし、いざ断捨離を始めようと思っても、どこから始めたら良いか分からず、結局そのままにしている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、断捨離の進め方や効率良く行うためのポイントをご紹介します。
やり方やコツを把握すれば、スムーズに断捨離が行えるようになり、自分を見つめ直すよい機会になりますよ。
断捨離とは
そもそも断捨離とは、片付け論の1つですが、単に不要なものを減らすことではなく、ものへの執着を捨て生きていこうとする考え方をいいます。
作家のやましたひでこ氏が提唱し、多くの人に広まりました。
1つひとつのものと向き合い、それぞれの関係を見直しながら、自身が本当に必要なものを知る断捨離は、自分のライフスタイルを見直すきっかけにもなるでしょう。
断捨離の考え方
断捨離はヨガの考え方が由来となっており、「断捨離」のそれぞれの文字には、以下の意味があります。
断行(だんぎょう)・・・新たに入ってくる不要な物を断つ
捨行(しゃぎょう)・・・今手にある不要な物を捨てる
離行(りぎょう)・・・ものへの執着心をなくす
断捨離は「ものを捨てる」というイメージが強いかと思いますが、本来の意味を知るとそれだけではないと分かるでしょう。
断捨離を実行することで、執着から解放され、空間や時間、気持ちにゆとりが生じます。
そのゆとりが良い空気感、人間関係にも繋がっていくと考えられているのです。
断捨離のメリットや効果
断捨離をすることで、家の中がスッキリし、整理されるだけでなく、生活力が向上するなど多くのメリットがあります。
具体的には以下の通りです。
自分にとって本当に必要なものが分かる
心にゆとりが生まれる
判断力や決断力が身につく
お金が溜まりやすくなる
断捨離のメリットや得られる効果について、詳しく紹介していきます。
自分にとって本当に必要なものが分かる
断捨離は、家の中を整理するとともに、自分自身の心を整理することにも役立ちます。
必要が不要かを判断する過程で、自分が好きなもの、大事にしたいものなどの価値観が明確になるでしょう。
自分にとって必要なものが何か再確認できれば、自分の基準で判断できるようになります。
特に、人の意見に流されやすい人や、自分で物事を決断するのが苦手な人にとってはおすすめです。
心にゆとりが生まれる
断捨離をしてものが少なくなると、空間はもちろん、時間や心にも余白やゆとりが生まれます。
ものが多ければ、必要なものが見つからず焦ったりイライラしたりするでしょう。
しかし、断捨離を行えば部屋がスッキリするほか、必要なものが見つけやすくなり、時間や気持ちにも余裕が生まれ、快適に過ごせる効果も期待できます。
断捨離は心のデトックスにも繋がるのです。
判断力や決断力が身につく
断捨離は取捨選択の連続で、何が必要で、何が必要でないかを瞬時に判断します。
そのため、判断力や決断力が自然と身につくようになるのです。
日々の生活においても取捨選択が必要なケースが多くありますが、判断力や決断力が向上すると、仕事や生活の質を高めることに繋がるでしょう。
お金が溜まりやすくなる
断捨離とは直接関係ないように感じるかもしれませんが、断捨離によって節約効果も期待できるのです。
家の中にものが多ければ、必要なときに必要なものが見つからず、すでに持っているものを二重買いしてしまうケースがあります。
しかし、断捨離をすることで持っているものと持っていないものを再確認でき、二重買いのリスクを減らせるでしょう。
さらに、本当に必要なものがどうか見極められるようになると無駄遣いも減り、その結果、お金が溜まりやすくなります。
運気が良くなる
断捨離は、運気にも良い影響があるといわれています。
風水でも、部屋をきれいに保つと運気が上がるとされていますが、不要なものを処分することで、過去の悩みや不安に囚われにくくなり、新しい出会いやチャレンジに積極的になれるケースも多いです。
そのため、スピリチュアル的な意味だけではなく、自分自身の心境の変化も良い運気をもたらす可能性もあります。
断捨離の手順とスムーズに進めるためのポイントを解説
いざ断捨離を始めようと思っても、どこから手をつけて良いか分からない方も多いでしょう。
特に、片付けに慣れていない人はいきなり広範囲を片付けようとして、余計に散らかってしまったり、中途半端な状態にしてしまったりする可能性が高いです。
ここでは、断捨離をスムーズに進めるための手順やコツをご紹介します。
エリア分けして片付ける場所を決める
スペースを確保し、ものを広げる
ものを「必要」「不要」「保留」に分ける
必要なものを収納する
不要なものを処分する
保留にしたものをどうするか考える
①エリア分けして片付ける場所を決める
断捨離を効率良く進めていくために、家の中をエリア分けして片付ける場所の優先順位をつけていきます。
生活の中でよく使う場所であるかがエリア分けするポイントです。
たとえば、リビングや寝室は趣味のものや思い入れのあるものが多いため、片付けるのに時間がかかってしまいます。
反対に、玄関やキッチン、洗面所など生活必需品が多いエリアは、「いる」「いらない」の判断がつきやすく、スムーズに作業が進みやすいので、はじめに取り掛かるのがおすすめです。
②スペースを確保し、ものを広げる
断捨離を始める前に、全体の量を把握することも重要です。
片付ける場所が決まったら、スペースを確保し、そこに一旦エリア内の全てのものを広げます。
はじめは散らかってしまいますが、出したものを一つずつ手に取って、自分の目で確認できるため、必要か不要かの判断もしやすくなるでしょう。
③ものを「必要」「不要」「保留」に分ける
広げたものを手に取り、ものを以下の3つに仕分けていきます。
必要な物
不要な物
保留にする物
このとき、大きな袋や箱があると便利です。
必要が不要か決めるのが難しい場合、早期に「不要」と決断すると後悔することになりかねませんので、判断に迷う場合は一旦保留にして、後から改めて必要かどうか見極めましょう。
「必要」「不要」の判断基準を決めておく
断捨離をスムーズに進めるポイントの1つとして、捨てるときの判断基準を明確に決めることです。
必要なものと処分対象となるものの基準は、人それぞれですが、判断に迷う方は以下を参考にしてみましょう。
必要なもの | ・頻繁に使っているもの ・使う頻度は少ないが必ず使うもの ・将来価値が上がりそうなもの ・見ると気分が上がるもの |
処分を検討するもの | ・1度も使ったことがないもの ・1年以上使っていないもの ・1度しか使っていないもの ・壊れてしまったもの |
判断基準が明確になると、片付けが苦手な人でも容易に進められます。
思い出のあるものは最後に判断する
断捨離を進めていくと、思い出の品が出てくることもあるでしょう。
他の人にとっては不要なものでも、思い入れが強いとなかなか処分できません。
早い段階で捨ててしまうと罪悪感を持ち、その後スムーズに断捨離が進まない可能性が考えられます。
そのため、思い出の品をどうするか考えるのは最後に行ったほうが良いでしょう。
スペースが必要なものは、写真に残したり、データ化したりして保管するのも有効です。
④必要なものを収納する
仕分けで「必要」と判断したものを収納していきます。
収納で大事なポイントは、ものの定位置を決めることです。
ものがどこにあるかを把握しておけば、探す手間を省け、散らかさずに済みます。
また、収納する際に使用頻度の高いものと低いものとに分け、ジャンル分けして収納すると、使いやすくなります。
⑤不要なものを処分する
仕分け結果、「不要」と判断したものを処分します。
ゴミとして捨てるのが手っ取り早いですが、捨てる以外にも様々な方法があり、具体的には以下の通りです。
家庭ゴミとして出す
不用品回収業者に依頼する
引越し業者に依頼する
リサイクルショップに売る
フリマアプリ等に出品して売る
必要としている人に譲る
家具・家電などは処分するにも費用がかかる可能性がある点を理解しておきましょう。
リサイクルショップやフリマアプリなどを利用すれば、不要なものを片付けられるだけでなく、お金も手に入るので一石二鳥です。
⑥保留にしたものをどうするか考える
最後に、「保留」としたものを専用の箱や袋にいれて、時間を置いてどうするか判断します。
このとき、保留のものがどんどん増えてしまわないよう、期限を設けて判断するのがポイントです。
目安として、1ヶ月程度時間をおいて使うのか処分するのか決めましょう。
アイテム別の断捨離方法
断捨離する際は、ものをジャンル別に分けてそれぞれの判断基準に当てはめてみると、効率良く進められるでしょう。
ここでは、アイテム別に断捨離するポイントをご紹介します。
洋服の断捨離
洋服は、サイズが合わなくなったりトレンドが過ぎてしまったりしても「いつか着るだろう」と、なかなか捨てられない方も多いでしょう。
断捨離すべき洋服であるか見極めるポイントは以下の通りです。
1年以上着ていない
状態が悪い
流行を過ぎている
サイズが合わない
購入時の値段が高いと、処分するのをためらうかと思いますが、シーズン中に着なかったものは来年も身に付けない可能性が高く、タンスやクローゼットのスペースが無駄になってしまいます。
そのため、上記に当てはまるものは思い切って断捨離するのがおすすめです。
本の断捨離
1度読んだだけで見返さない本や雑誌は断捨離の対象となります。
近年では電子書籍に置き換えられる本や雑誌も多く、保管場所がいらない、持ち運べるなどのメリットがあるため、利用を検討してみましょう。
書類の断捨離
家電や家具の取り扱い説明書や保証書、光熱費の請求書など、いつの間にか溜まって膨大な量になってしまいやすいのが書類です。
書類を断捨離する際は、とっておく必要があるものか、期限を設けてとっておくものかに分類しておきましょう。
【処分せず残す書類】
契約書類
家電の説明書
保険・年金関連
思い出の手紙 など
【期限を設けて残す書類】
光熱費の明細書
家電の保証書
子どもの学校からの書類 など
また、光熱費の明細書などデジタル化することでものを溜めずに済む場合もあります。
おもちゃの断捨離
お子さんがいる家庭の場合、子どもが使わなくなったおもちゃの処分に悩む方は多いでしょう。
子どものおもちゃはもちろん、家族であっても自分以外の人のアイテムを勝手に捨てるのはトラブルの原因になります。
そのため、使わなくなったおもちゃの断捨離を行う際は、子どもと一緒に行うのが望ましいです。
一緒に断捨離することで、子どもがものの大切さや選び方を学ぶ良い機会にもなります。
キッチングッズの断捨離
キッチングッズは溜まっていく一方で、なかなか整理できないものの1つです。
キッチングッズを断捨離する基準は以下の通りです。
1年以上使っていないグッズ
欠けたり割れたりした食器
割り箸やおしぼり
気に入っていたものの、欠けてしまった食器は役割を終えているため、処分するのがおすすめです。
また、ホットプレート、たこ焼き機など、役割が限定的であるものは、1年程度を目安に使う頻度を考え、断捨離するか検討しましょう
断捨離のやり方をマスターして部屋も気持ちもスッキリさせよう
断捨離は、ヨガの思想を元に、精神面も含め不要なものを減らし、ものへの執着を捨て生きていこうとする考え方です。
すぐに部屋が散らかってしまう人はもちろん、身軽でシンプルな生活を目指したい人、判断力や決断力を向上させたい人にとっては大きなメリットとなります。
断捨離を行うにあたっては、手順やコツをあらかじめ把握しておき、大掃除や衣替え、引越しなどのタイミングで行うのがおすすめです。
ぜひこの記事を参考に、スムーズに断捨離を進め、家の中も気持ちもスッキリさせましょう。