【目次】
終活や断捨離とは、自分の死後に備えるためだけではありません。
人生100年時代の長い老後の人生の準備としても役立つものです。
いったいいつ頃から終活や断捨離をはじめるのが良いのか悩んでいる人もいるでしょう。
この記事では50代から終活や断捨離を始めるメリットや注意点、既婚者と独身者それぞれのやるべきことについて解説します。
終活や断捨離が気になり始めたなら、ぜひ参考にしてみてください。
終活における断捨離の基本
終活における断捨離の基本は以下の3つの作業を行う流れになります。
この流れを繰り返し行っていけば、スムーズに断捨離を進めていくことができるでしょう。
家のなかにあるものを仕分けする
使わないものを処分する
誰かに譲りたいものを記す
①:家の中のものを仕分けする
まず始めに、家の中にある物を仕分けましょう。
次の5種類に仕分けます。
今の生活で使っている物
手元に置いておきたい物
資産価値がある物
要・不要の判断がつかない物
使っていない物
上記のうち、1〜3は処分せずに残しておきます。
4は、決めることができないうちは、一旦保留としておきましょう。
捨てることはいつでもできるので次に断捨離をするときに判断することにします。
②:使わない物を処分する
仕分けた物の中から、使っていない物を処分していきましょう。
処分方法は、主に次の4つです。
家族や知人に譲る
フリマアプリやリサイクルショップで売る
自治体のルールに従って捨てる
業者に不用品の回収を依頼する
譲る場合、家族や知人が欲しいと思えるものなら良いですが、喜ばれるか分かりません。
欲しいと思っている人に譲れるようマッチングサイトや、地域のコミュニティなどを活用するのもおすすめです。
フリマアプリやオークションサイトで売れるものなら、臨時収入にもなり一石二鳥です。
不用品を回収する業者を利用した場合は、料金がかかりますが、一度に多くの不用品を処分できるので便利です。
③:誰かに譲りたいものを記す
死後に誰かに譲りたい物がある場合は、エンディングノート等に記しておきましょう。
その際は、何を誰に譲りたいのかを正確に明記しておくことが大切です。
断捨離をうまく進めるコツ
50代の終活として、まずおすすめしたいのが断捨離です。
断捨離することで身の周りをスッキリさせ、本当に必要な物や気に入った物だけに囲まれて過ごすことができます。
断捨離を行うことで、その後の生活でも「不要な物は捨てる」「余計な物は買わない」となります。
断捨離をうまく進めるためには、以下のようなコツがあります。
断捨離は楽しみながら行うこと
整理整頓も同時に進めること
家族の理解も得ておくこと
①断捨離は楽しみながら行うこと
断捨離は、前向きな気持ちで楽しむことがコツです。
「物をとにかく捨てなければ」と、焦燥感に駆られて断捨離を行うと疲れてしまいます。
それでは、本末転倒です。
無理して行うようでは、物への執着を捨てて精神的に豊かな生活を手に入れられません。
途中で疲れて挫折してしまうでしょう。
休日や空いている時間を上手に使って、徐々に進めていくだけで十分です。
ゆとりをもって楽しみながら進めることで断捨離は成功しやすくなります。
②整理整頓も同時に進めること
断捨離は物を捨てるだけではありません。
身の回りのものを整理整頓することも断捨離に含まれます。
これを機に普段からよく使う物、特定の時期だけ使う物を分けたり、通帳や年金・保険関係の書類といった重要な物を分けたりと適切な場所へ保管しておきましょう。
整理整頓ができていれば、どこに何をしまったか家族に伝えておくこともできます。
万が一、自分が病気にかかったときに、家族が必要な物を調達しやすくなります。
③家族の理解も得ておくこと
家族と暮らしている場合は、断捨離をすることを事前に伝えておくことも大切です。
平均寿命から考えると、50代は終活を始めるには早いと思われることも考えられます。
そのため、断捨離などの身辺整理をいきなり始めると、家族に余計な心配をかけることになるかもしれません。
そうでなくても、断捨離によって生活環境が変わることに抵抗感を覚える方もいるでしょう。
家族に心配をかけないためには、前向きな取り組みであることを強調するのがおすすめです。
50代の断捨離の注意点とは
断捨離は年齢に関係なく身の回りをスッキリさせておくために誰もが取り組めることです。
しかし、終活を見越した断捨離の場合には50代ならではの注意点もあります。
①必要な物まで捨てないこと
まず重要なのは、必要な物まで捨てないことです。
50代は平均寿命を迎えるまで30年近くあります。
「この環境で30年間生活して不便はしないか」という観点で断捨離を行わないといけません。
今後収入が減っていくと考えられるなか、あとで結局買い直す羽目にならないよう、注意が必要です。
②家族の物を勝手に捨てないこと
家族と住んでいる場合、誤って家族の物まで勝手に捨ててしまわないことも大切です。
古くなっていて、要らない物のように見えたとしても、勝手に捨ててしまうと、家族との人間関係がこじれてしまう恐れがあります。
他の家族が所有している物や家族で共有している物は、処分する前に必ず本人へ確認しましょう。
終活を50代から始めるべき理由
終活を始める年齢に決まりはありません。
ここでは、50代から終活を始めるべき理由について解説していきます。
<50代で終活を始めるべき理由>
体力や判断力が十分にある
老後に向けた計画を立てやすい
老後のための貯蓄ができる
体力や判断力が十分にある
終活は自宅の整理整頓や断捨離など、片付けや物を運ぶ作業をしなければならないため、体力が必要です。
資産の整理や葬儀会社への相談など、自身で決断することも多くあります。
また、その判断力も重要です。
50代は、まだ仕事をしている人も多く、終活に必要な体力と判断力ともに十分です。
そのため、50代のうちから終活を始めるのがおすすめなのです。
老後に向けて計画を立てやすい
50代は自分のセカンドライフを考えるゆとりが出てきます。
なぜなら、子育てもひと段落するころになるからです。
仕事を定年したあとのセカンドライフを充実したものにするためには、50代から準備を進めておくことが大切です。
より有意義に過ごせるよう、50代のうちからやりたいことを考えておきましょう。
老後のための貯蓄ができる
老後にゆとりのある生活をするためには、より大きな金額を貯蓄で準備することが大切です。
受け取れる年金の額やかかる生活費は人によって異なります。
しかし、仕事からの収入を得られる50代から貯蓄すれば、定年後の60代から始めるよりも多くの金額を貯められます。
終活で資産を確認して必要な貯蓄額を把握して、コツコツ貯めていきましょう。
終活を50代から始めるメリット
50代で終活を始めるメリットを3つ紹介します。
<終活を50代から始めるメリット3つ>
子どもへの負担を軽減できる
老後を自分らしく生きられる
自分の希望を家族に伝えられる
子どもの負担を軽減できる
親の老後に悩む子どもは多くいます。
50代から終活を始めれば、早い段階でさまざまな準備ができます。
終活を早めにはじめることは、家族への負担軽減につながるのです。
老後を自分らしく生きられる
終活の目的は老後の心配事をなくし、毎日を楽しく生きていくために行うものです。
50代のうちから終活を始めておけば、老後に対する不安の解消にも繋がります。
理想とするセカンドライフに向けて、必要な準備も明確になり、充実した日々を過ごせるようになるでしょう。
自分の希望を家族に伝えられる
終活することで医療や介護など、老後の生活について考える時間が取れます。
身体が元気なうちに終活をはじめれば、治療方針やその後のケアについて万が一の事態に備えて自分の希望を伝えることができます。
納得した医療や介護を受けられるよう、予め相談しておくことができるのがメリットです。
50代の既婚者が終活でやるべきのこと3つ
50代の既婚者が終活でやっておくべきことは、以下の3つだと考えられます。
身の回りから断捨離していく
資産を把握し相続を考えながら整理する
エンディングノートを作成する
①身の回りから断捨離していく
不要と判断できるものは、いつかは必ず処分するものなので、少しずつ手を付けて処分していきましょう。
ただし、50代はまだ先が長いので、家族と相談しながら少しずつ行うことが大切です。
②資産を把握し相続を考えながら整理する
相続は終活の中で大きな問題の1つです。
自分がどのような資産を、どのくらい持っているか把握できているでしょうか。
自分の身にもしものことは、いつ来るか誰にもわかりません。
相続についても少しずつ考えながら整理していくことが必要です。
③エンディングノートを作成する
終活では判断力が衰えてしまったときに備えて、エンディングノートを作成することも大切です。
エンディングノートには、大きく分けて以下について記載しておきましょう。
自分自身に関すること
保有する財産のこと
終末期や死後のこと
また、エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。
定期的に内容を見直して、改善していくことが大切です。
50代の独身者が終活でやるべきのこと6つ
50代の独身者が終活でやっておくべきことは以下の6つです。
人生のパートナーについて
自分の親や自分の介護について
遺言書について
身元保証サービスについて
お葬式について
お墓について
①人生のパートナーについて
これまでずっと独身だった人でも、今後の人生を考えたときに、人生のパートナーが欲しいと思うかもしれません。
また、あらゆる事情により、ひとり身となった場合も、パートナーが必要だと思うかもしれません。
50代はまだ人生の後半に入ったばかりです。
パートナーを見つけて、新たな人生をスタートさせるのも良いでしょう。
②自分の親や自分の介護について
自分の介護は、誰に、どこでしてもらうのかを決めておきます。
また、独身者で自分に兄弟姉妹がいない場合、親の介護についても考える必要があります。
介護は、する側にとっても介護される側にとっても、避けて通れない問題です。
しっかりとした判断力があるうちに、決めておくようにしましょう。
③遺言書について考える
終活にとって相続は大きなテーマのひとつです。
自分がこれまで築き上げてきた財産を、誰に、どのように分配するのか、決めなくてはいけません。
自分の意思にもとづいて財産の分配を確実に実行するのであれば、エンディングノートだけでなく、正式に遺言書を作成することが必要です。
④身元保証サービスについて
身元保証サービスとは、身元保証人が必要なときにサポートしてもらえるサービスです。
病院に入院する時や、介護付有料老人ホームや高齢者介護施設などへの入居時など、身元保証人がいないときに利用することができます。
近年、ニーズが高まっているサービスですが、それに伴い、利用にあたってのトラブルも多くなっています。
身元保証サービスを利用する可能性がある場合は、「契約内容・実際にかかる費用・解約手続き」などについて、しっかりと確認しておきましょう。
⑤お葬式について
家族などのお葬式で苦労した経験がある人などを中心に、自分のお葬式は自分で決めて準備しておきたいと考える人が増えているようです。
最近では、家族や親族などのごく親しい人だけで見送る「家族葬」が増えてきており、これまでの一般的なお葬式に比べて、小規模で日数も短くなる傾向にあります。
これまでと異なり通夜やお葬式を行わずに火葬だけをして亡くなった人を見送る「火葬式」や「直葬」という形式もあるようです。
可能であれば、葬儀社を決めて事前相談や生前契約などを行っておきましょう。
そうすれば、エンディングノートに記載しておいた自分の望むお葬式を、遺族が執り行ってくれます。
⑥お墓について
お墓についても考えておかなくてはなりません。
お葬式が終わった後は、遺骨をどこに、どのように埋葬するのか決める必要があるからです。
自分はどこのお墓に入るのか、決めておきましょう。
入るお墓がない場合、新たにお墓を建てるのか、お寺や墓地管理者が供養や管理をしてくれる永代供養墓に埋葬してもらうのか、決めておかなければなりません。
このほか、遺骨をお墓に納める以外の新しい埋葬法や供養の方法として、「散骨」や「手元供養」といった形が最近では見られるようになりました。
50代で始める終活と断捨離
50代の終活について、はじめるべき理由ややるべきことについて解説してきました。
年を追うごとに肉体的にもリスクは高まってきます。
それを考えると、体力や判断力のある50代のうちからじょじょに断捨離や整理整頓を始めるのがおすすめです。
終活は一回やったらそれで終わるものではありません。
よりよい人生を送るために、定期的に見直しをすることが大切です。
体力・気力・判断力の衰えを感じる前に、50代から早速終活をはじめましょう。